オープンであること-経営活動の基礎的要件その2

企業・組織活動というものは、組織を構成する各部・各人が職務・役割を持っています。そして、誰もが「自分の仕事」に口出しされることは好みません。各人が好きなようにマイペースでやりたいのは当たり前のことです。

「好きなようにやりたい」という組織構成員の利害は一致しているため、企業の歴史が長くなるにつれて「他人の仕事には口出ししない」という暗黙の組織風土が形成されていきます。

さらに、各部、各人それぞれの仕事が「ブラックボックス化」していきます。誰がどのように仕事をしているのか本当の所はよくわかりません。効率的に仕事を行なうノウハウも共有されず、困った時の助け合いも行なわれにくい組織になります。

経営管理は、プロセスが見えないので目標数値だけがあり、あとは「大丈夫か?」と「がんばれ」だけの精神論だけになりがちです。

過去の右肩上がりの時代では、それでも経営は上手くいきました。

しかし、現在の過当競争の時代において、経営目標もノウハウも共有せず、各自ブラックボックスの状況で企業が生き残っていけるでしょうか?しかし、どのような企業も歴史が長くなるにつれてブラックボックス化が進行する傾向があります。

建設経営研究所では経営をオープンにするために、「見える化」と、立場にとらわれない「自由なディスカッション」を重視しています。

経営コンサルティングにおいても、まずは、仕事のやり方、仕組み、成績など、ありとあらゆることについて、徹底的に「見える化」しディスカッションを通じて詳細化していきます。

正しい現状認識の共有がなければ、問題発見も検証もできないからです。

この時に、社員の反発や抵抗、社員同士のトラブルが発生することもあります。しかし、こうした過程を乗り越えて、目標を共有し組織全体を成長させていくことが重要です。